朝鮮時代の済州島は、中央集権的な王道政治を志向した朝鮮の地方統治制度によって営まれました。島の人々は厳しい風土と度重なる自然災害、そして絶え間ない倭寇の侵入によって苦しい生活を送りました。その上、また200年以上続いた島外への移住禁止令は済州島の経済・文化の発展を妨げました。一方、朝鮮時代には済州島に赴任してきた官吏、政治的弾圧や党派争いに巻き込まれ島に流された学者や政治家、そして漂流して外の世界を経験してきた人たちが政治・社会・文化的な面において済州島の人々に多大な影響を与えました。